Salesforce保守とは?導入後に必要な5つのこと

Salesforceを導入したものの、「使いこなせていない」「設定が放置されている」という悩みを抱えていませんか?

実は、Salesforce導入後の「保守」が不十分なために、せっかくの投資が無駄になっている企業は少なくありません。

この記事では、Salesforce導入後に必要な5つの保守業務について、Salesforce開発経験を持つ筆者が解説します。

1. Salesforce保守とは何か?

保守の定義

Salesforce保守とは、導入後のシステムを「健全な状態に保つ」ための継続的な活動です。

具体的には:

  • 設定変更・カスタマイズの対応
  • ドキュメントの更新
  • Salesforceリリース(年3回)への対応
  • セキュリティ・権限管理
  • データ品質の維持

導入と保守の違い

  • 導入:システムを作る(ゴールがある)
  • 保守:システムを育てる(継続する)

多くの企業は「導入 = ゴール」と考えがちですが、実際は「導入 = スタート」です。

2. なぜSalesforce保守が重要なのか?

理由1:Salesforceは年3回更新される

Salesforceは「Spring」「Summer」「Winter」の年3回、大型アップデートがあります。

アップデート内容によっては:

  • 既存の設定が動かなくなる
  • 非推奨機能が使えなくなる
  • セキュリティ設定が変わる

保守契約がないと、これらの影響を見逃してしまいます。

理由2:ドキュメントがないとブラックボックス化する

導入時の担当者が退職したり、異動したりすると、「誰も全体像を把握していない」状態になります。

これを防ぐには、継続的にドキュメントを更新する仕組みが必要です。

理由3:監査・内部統制への対応が求められる

企業規模を問わず、システムの「適切な管理」が求められる時代です。

監査や内部統制で問われる項目:

  • 変更履歴は記録されているか?
  • アクセス権限は適切に管理されているか?
  • データバックアップは定期的に取得されているか?

保守体制がないと、後から整備するのに多大なコストと時間がかかります。

理由4:保守を外部委託することで本業に集中できる

Salesforceの保守業務は専門知識が必要で、社内リソースを圧迫しがちです。

外部委託のメリット:

  • 社内の情報システム部門が本業(経営戦略、新規プロジェクト)に集中できる
  • Salesforce専門家の知見を活用できる
  • 属人化を防ぎ、担当者の異動・退職リスクを軽減

特に中小企業では、「専任のSalesforce管理者を置く余裕がない」というケースも多く、外部パートナーとの連携が有効です。

3. Salesforce保守の5つの業務

①ドキュメント更新

  • オブジェクト定義書
  • フロー図・プロセス図
  • カスタマイズ一覧
  • 変更履歴(Git管理推奨)

ポイント: 変更のたびにドキュメントを更新する習慣が重要です。

②リリース影響調査(年3回)

  • Salesforceの新機能確認
  • 非推奨機能の洗い出し
  • 既存機能への影響分析

ポイント: リリース前に影響範囲を把握し、事前にテストを行うことでトラブルを防げます。

③セキュリティ・権限管理

  • ユーザー権限の定期見直し
  • パスワードポリシーの設定
  • ログイン履歴のモニタリング

ポイント: 退職者のアカウント削除、異動に伴う権限変更など、定期的なチェックが必須です。

④データ品質維持

  • 重複データの削除
  • 入力規則の見直し
  • データクレンジング

ポイント: データが汚れると、レポートの信頼性が低下し、意思決定に悪影響を及ぼします。

⑤月次レポート作成

  • 実施タスク一覧
  • 解消済みバグ・未着手バックログ
  • 改善提案(次の一手)

ポイント: 定期的に「何をしたか」「次に何をすべきか」を可視化することで、PDCAサイクルが回ります。

4. Salesforce保守の相場

保守契約の料金体系

  • 小規模:月10〜20万円(軽微な設定変更のみ)
  • 中規模:月30〜50万円(ドキュメント+リリース対応+改善提案)
  • 大規模:月80万円〜(専任体制+開発込み)

費用対効果の考え方

月30〜50万円の保守契約は、社員1人を採用するコストの半分以下です。

外部委託することで、採用コスト・教育コストを削減しつつ、専門性の高いサポートを受けられます。

5. 保守ベンダーの選び方

チェックポイント4つ

1. ドキュメント整備を重視しているか?

保守契約に「ドキュメント更新」が含まれているか確認しましょう。

2. リリース対応を標準で含むか?

年3回のリリース影響調査が標準サービスに含まれているかチェック。

3. 月次レポートを提出してくれるか?

「何をしたか」が見えない保守契約は避けるべきです。

4. 改善提案をしてくれるか?

受け身の保守ではなく、能動的に「次の一手」を提案してくれるベンダーを選びましょう。

まとめ

Salesforce保守について、以下の5点を解説しました:

  1. 保守 = システムを育てる継続的活動
  2. 年3回のリリース対応が必須
  3. ドキュメント更新でブラックボックス化を防ぐ
  4. 監査・内部統制への対応が求められる
  5. 外部委託で本業に集中し、専門性を活用できる

Salesforce導入後の保守は、「投資を無駄にしないための継続的な取り組み」です。

社内リソースが限られている場合は、外部パートナーとの連携を検討してみてはいかがでしょうか。

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【執筆者】
ナインテック株式会社 代表
株式会社テラスカイを経て独立。フリーランス時代の5年間は、複数の大手SIerにてSalesforce導入プロジェクトに参画。法人設立後は、大手SaaS企業のSalesforce AppExchange開発等に従事。Salesforce導入後の保守・運用支援を専門としている。